高強度場近似[strong-field approximation, SFA]
定義
高強度のレーザー場中における原子や分子の挙動を考える際に、励起束縛状態からの寄与と、イオン化で原子や分子から放出された電子に対する親イオンからのクーロン力を無視する近似。
高強度のレーザー場中における原子や分子の挙動を考える際に、励起束縛状態からの寄与と、イオン化で原子や分子から放出された電子に対する親イオンからのクーロン力を無視する近似。
高強度(10の14乗W/cm2以上)のレーザー場中では、弱いレーザー場中で起こる現象の延長線上では捉えることのできない、摂動論では取り扱いが困難(非摂動論的)で、質的に大きく異なる現象が起きる。これらを高電磁場現象(あるいは高強度場現象)と呼ぶ。代表的なものとして、超閾電離、トンネルイオン化、高次高調波発生、非逐次二重電離があげられる。
高強度(10の14乗W/cm2以上)のレーザー場中では、弱いレーザー場中で起こる現象の延長線上では捉えることのできない、摂動論では取り扱いが困難(非摂動論的)で、質的に大きく異なる現象が起きる。これらを高強度場現象(あるいは高電磁場現象)と呼ぶ。代表的なものとして、超閾電離、トンネルイオン化、高次高調波発生があげられる。
高次高調波発生[high-harmonic generation]とは、high-harmonic generationの他、high-order harmonic generationもしくはHHGとも表現され、高強度(>1014 W/cm2)のフェムト秒レーザーパルスを気体に照射すると、波長変換によって高次の倍波(照射した光が持つ振動数の整数倍の振動数を持つ光)が発生する現象を指します。また、この際に発生する短波長の光を高次高調波と呼びます。
高次高調波発生は非摂動論的に非線形な過程で、摂動論的高調波とは著しく異なる以下のような特徴があります。
高次高調波発生はアト秒レーザーパルスの発生原理であり、また、高調波スペクトルから、電子状態やダイナミクスについての情報を取得することができます。