高次高調波発生[high-harmonic generation]
定義
高次高調波発生[high-harmonic generation]とは、high-harmonic generationの他、high-order harmonic generationもしくはHHGとも表現され、高強度(>1014 W/cm2)のフェムト秒レーザーパルスを気体に照射すると、波長変換によって高次の倍波(照射した光が持つ振動数の整数倍の振動数を持つ光)が発生する現象を指します。また、この際に発生する短波長の光を高次高調波と呼びます。
特徴
高次高調波発生は非摂動論的に非線形な過程で、摂動論的高調波とは著しく異なる以下のような特徴があります。
- 次数が上がっても強度が落ちないプラトー領域が長く続きます。
- ある次数(カットオフ)で突然強度が落ち、それ以上の次数の高調波は実質発生しません。
高次高調波発生はアト秒レーザーパルスの発生原理であり、また、高調波スペクトルから、電子状態やダイナミクスについての情報を取得することができます。